ゼロエミッションとオフグリッド
ある会合で大手企業様のプレゼンを拝聴させていただいたあと、未来の工場・建物に関して考える機会がありました。1994年当時、人間の活動や工場からの発生する廃棄物の排出をゼロにするという考え方ゼロ・エミッションが国際連合大学から提唱されました。各事業所でゼロエミッションに取組む企業が増えるにつれ、近隣にリサイクル工場が出来て連携した取り組みも各地で増え、循環型社会の形成に向けて進んでいったように思います。当時は、1社だけで完結するのではなく、行政、地域、協力会社と連携しながら、その概念が達成されていったように思いました。
現在はどうなっているか? CO2のサプライチェーン排出量の削減量、自社のScope1,2 のみならず、上流・下流のScope3 まで、責任をもって削減に向けて関わっていく姿勢に変化しているように感じます。企業としてのモラル、強い責任感のようなものでしょうか。社外に出していた廃棄物の再利用、無駄になっていたエネルギー、熱の回収や水の再利用、回収など、技術革新が進めば、現時点では不可能な事も可能になると思います。究極はオフグリッドですが、そこに至る迄の段階で、再度、事業所の周辺企業、地域との連携は不可欠になるのではないかと推測します。余ったエネルギー、熱、蒸気、水、或いは(廃棄物=資源)を融通しあう事、コンビナートを形成するように、核となる企業を通して、後世に残るような企業と地域一体の町づくりが出来ないか? 人口が減り続ける日本においては、そのような考えは現実的ではないかもしれないですが、実証実験をすすめようとされているWovenCityは、企業と人が一体となって存続するモデルケースになる事を期待したいです。