プラスチックの分別
通勤中の朝のラジオの内容と、先日Youtubeで視聴した動画の内容が全く逆の見解を示していたので少しモヤモヤした感覚に陥っております。
プラスチックの分別回収に関して、行政によって分別方法は異なっている状況ですが、そのまま燃えるゴミに入れて燃やしてしまえば良い派と、きっちり分別してリサイクルをすべきだという派で、CO2排出に関わる見解が全く異なっていました。
前者は、ゴミ焼却施設において、火力が足りない場合は燃料油を加えているので、そのかわりに助燃材としてプラスチックゴミがある方が良いのでは? 結果分別回収をする必要がないというものです。ゴミの回収袋に助燃材を入れているメーカー様もおられるくらいで、使用する燃料油が減るので、CO2排出量の削減に繋がるのは事実です。海外からの輸入量が減る= 日本国外における掘削、輸送、精製に関わるCO2の削減につながり、またその分燃えるゴミ⇔プラスチックゴミ間の様々な手間が減るので、行政側が負担しているコストが削減できるというメリットもあると思います。反面、今までプラスチックゴミを利用して行われていたビジネスが無くなってしまう事と、その部分を利用した企業の社会貢献PR活動、CO2削減の数値化も出来なくなります。
後者は、リサイクルされたプラスチックを再利用する事で、プラスチックの大元の原料である原油(ナフサ)の使用量が削減出来、結果としてCO2排出量の削減に繋がるというものです。海外からの輸入量が減る= 日本国外における掘削、輸送、精製に関わるCO2の削減につながり、ダウンストリーム側のコストも確かに削減されます。リサイクルプラスチックを原料として使用する事で、企業の社会貢献PR活動、CO2削減の数値化も可能になります。
3Rの1つにReduce(減らす)がありますが、ゴミ焼却施設においてはゴミが減ってしまうと、採算がとれない状況になるという問題もあります。発電や熱を取り出すような設備を併設している場所もありますので、ゴミを減らしたからといってCO2排出量の削減につながっているとはいえません。
企業内におけるコスト削減についても言える事ですが、横の連携をとらずに各部署でコスト削減を行った場合、他の部署で歪が出て、結果としてコスト削減には繋がらない場合があります。日本は、 2021 年 4 月に、 2030 年度において、2013年度比で、温室効果ガス 46% 削減を目指すこと、さらに 50% の高みに向けて挑戦を続けることを表明しました。この目標ありきで、大手企業を中心にCO2削減に関して様々な取組がなされていますが、リサイクル品の需要が高まる中で、価格がバージン品に近づいていたり、リサイクル品ベースのビジネスモデルが崩れてしまったりと、この目標に振り回されてしまっているように思います。既に確立されたリサイクルやリユースの輪がある中のリサイクルプラスチックを利用しても、実質的なCO2の排出量の削減には繋がらないと思いますが、、、、 私が知らないだけなのかもしれませんが、グランドデザインがなければ、実質のCO2排出量削減にはつながりません。(国内の製造業が衰退した結果、CO2排出量の削減につながりましたは避けたいですよね)最終製品が消費者にわたるまでどのくらいのCO2が排出されているか、ISOに基づきLCA算定が出来るサービスも出てきているようですので、既に確立されているリサイクル、リユースの場合と比較して、企業が取り組もうとしているCO2排出削減プランが地球環境の改善にとって意味あるものであるかを検証していただきたいものです。
日本がやるべき事は、
CO2排出量が少ない火力発電設備や付属ユニットの開発
→アジア圏におけるEV普及の大元の電気供給源は火力発電故、その部分にメスを入れないと世界全体のCO2排出量削減につながらない。
ゲームチェンジャーとなる次世代エネルギー開発への投資
→技術供与を主眼に置く。原材料は各国内で調達できるものでなければならない。日本であれば海に囲まれているので海水