ホルムズ海峡封鎖に伴う他国の影響
公開済み by 福永芳顕 -U174の 社長独言/備忘録 · 金曜日 06 3月 2026 · 1:00
Tags: ホルムズ海峡, 封鎖, 他国, 影響, 国際関係, 経済, 安全保障, 地政学, エネルギー, 貿易
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ホルムズ海峡封鎖に伴い、中国が購入しているとされるイラン産原油に関して(貿易統計には出ていない。マレーシアからの輸入量が、マレーシアの生産量を上回っているので、産地ロンダリングか、海上でのせかえているのではないかと言われています。)、Geminiによる推計では、中国国内で消費・備蓄されるすべての原油供給量の中では、先月アメリカにより寸断された、ベネズエラ産を合算すると、約 11.1%のウエートを占めます。これにロシア産14.0%を加えると、25%が地政学的なリスクをかかえた原油という事になります。
制裁ディスカウントは、1バレル当たり10ドルといわれており、イラン産やベネズエラ産の原油は、主に[安価な原料」として独立系製油所で処理されているようです。この供給が絶たれた事で影響が出る可能性があるのは、
①アロマティクス(芳香族)チェーン影響品目: ベンゼン、トルエン、キシレン(BTX)、および パラキシレン(PX)。分析: イラン産原油や中東産コンデンセートは、芳香族の原料となるナフサ分を多く含みます。海峡封鎖により、アジア全体のPX供給がタイトになり、高純度テレフタル酸(PTA)の価格にも影響が出ます。
② オレフィン・ポリマーチェーン影響品目: エチレン、プロピレン、および ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)。分析: 原油価格の急騰に伴い、ナフサクラッカーのコストが跳ね上がります。
③ アスファルト・重質油製品影響品目: アスファルト(ストレート・アスファルト)。分析: ベネズエラ産原油は世界でも類を見ない超重質油であり、中国の独立系製油所におけるアスファルト生産の主原料です。イラン産(Extra Heavy)での代替は歩留まりが悪く、致命的な不足が生じます。
製造・物流プロセスに関連する化学品エネルギー供給の混乱は、化学反応や物流に不可欠な「副資材」にも波及します。
例えば、
無機化学品(苛性ソーダなど):電力コスト上昇と、塩ビ(PVC)減産に伴う副産バランスの崩れ。
ベースオイル(Group I/II/III)の供給減による価格高騰
燃料油アップによる輸送コスト増とそれに伴う製品価格の上昇。
同様に、LNGに関していえば、中東産のウエートは総供給量の約8~9% ロシア産は約12~13%を占めます。天然ガスはエネルギーとしてだけでなく、「C1化学」の出発点として、多くの化学品の原料となります。
①窒素肥料・尿素チェーンへの直撃
影響品目: アンモニア、尿素。
分析: 世界の尿素生産の多くは天然ガスを原料としています。中東(カタール等)は世界有数の尿素輸出拠点であり、ホルムズ海峡封鎖で供給が止まれば、世界的な肥料価格の高騰を招きます。
② メタノール・合成樹脂チェーン
影響品目: メタノール、ホルムアルデヒド。
分析: 中東産の安価な天然ガスから作られるメタノールは、中国のMTO(Methanol to Olefins)プロセスの原料となります。
③ クリーンエネルギー・物流への影響
影響製品: LNGトラック用燃料。
分析: 中国では物流トラックのLNGシフトが急速に進んでいます(2025-26年)。LNG輸入の3割(中東産)が滞ると、中国国内の物流コストが直接的に押し上げられ、あらゆる商品の末端価格に転嫁されます。
末端製品への影響に関しましては、敢えて記述をしませんでしたが、長期化すれば様々な方面に影響が出ると考えられます。本文はGeminiによる考察が大半を占めますが、実際本業に携わっておれれるメーカー様や関連の情報ソース他に、足元の状況を確認される事をおすすめします。
